受け継いだ住まいをリノベーション!思い出の家を安全に、住みやすくして次代へつなぐ
実家に限らず、祖父母や親族の家を引き継いでリノベーションするケースが増えています。築年数を重ね、思い出も残るおうちを今の暮らしに合わせて快適に、安全に住み継ぐために解決すべき課題とは?リノベーションで変えるべき部分、残した部分はどんなところ?実際のリノベ例を見てみましょう。
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目次
- 住宅性能を上げつつ既存を使って昭和レトロなデザインに
- 築50年の“離れ”を、将来に備えてフレキシブルな住まいに
- LDKを1階から2階に移し、住宅密集地でも明るく暮らす
- 吹き抜けの新設と回遊動線で明るく暮らしやすい間取りに
- 重量鉄骨造の良さを生かしてつくったのびのび大空間LDK
- まとめ
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住宅性能を上げつつ既存を使って昭和レトロなデザインに
【戸建て|築45年|リノベ面積 約95㎡】
子どもの誕生を機に、お祖母さまのおうちを譲り受けて住むことにされたご家族。
小さい頃の思い出深い家のイメージは残しつつ、安心して子育てできる住まいへの改修を希望されていました。
1階はLDKと二間続きの和室を、和室1室と広々としたLDKに。
仕切り壁を取り払って現しになった柱には、耐震性をより高める筋交いを設置しました。
既存の設えを生かし、空間の雰囲気はそのままにコンパクトになった和室。
建具を閉めれば客間としても使え、子どものお昼寝などにも便利そうです。
和室入り口上部の欄間は前の家にあったものをキレイにして再設置。
課題であった1階の暗さを解決するために、2階の床の一部にグレーチングという光を通す素材を採用。
耐震補強を施しつつ、断熱材の充填やサッシの交換により、住宅性能の向上も図っています。
写真の事例詳細はこちら:事例No.698 やさしい光が注ぐ 和やかな時間
築50年の“離れ”を、将来に備えてフレキシブルな住まいに
【戸建て|築50年|リノベ面積 約42㎡】
ご親族が賃貸に出していた“離れ”をリノベーションしたご夫婦。
玄関は位置を変えて、母屋につながる居室を取り込んだワンルームに。
建具を開け放てば大空間に、仕切れば個室とフレキシブルに使えるようにしました。
キッチンはアイランドに、WICは空間の中央に配置したことで、ぐるりと回れる回遊動線をつくっています。
新たに脱衣・洗面室を設け、サッシの交換と外周内部・天井への断熱材充填で冬の寒さ対策もおこないました。
写真の事例詳細はこちら:事例No.667 for the future
LDKを1階から2階に移し、住宅密集地でも明るく暮らす
【戸建て|築32年|リノベ面積 約73㎡】
ご親族から受け継いだおうち。
再建築ができないことから住み替えも考えましたが、リノベーションで住みやすくできれば、とご相談に。
まずおこなったのは、末永く安心して暮らすための耐震補強。
そこから断熱材の充填と、窓は高断熱サッシを採用して断熱性能を高めました。
もともと1階にダイニング・キッチン、2階にリビングと分かれていた間取りの、LDKを2階に集約。
天井の一部を吹き抜けにして、さらに明るく伸びやかな空間をつくっています。
光が入る南東角に階段を移動したことで、縦方向に光が届き、1階のホールまで明るく。
さらに、周囲の視線が気にならない位置に窓を設け、家全体に光と風を取り込んでいます。
写真の事例詳細はこちら:事例No.607 光を感じて暮らす
吹き抜けの新設と回遊動線で明るく暮らしやすい間取りに
【戸建て|築34年|リノベ面積 約136㎡】
お祖父さまが建てた、木質パネル工法でスキップフロアの車庫上に中2階のあるお住まい。
LDKは1階から明るい2階へ移動。
それによって1階の壁量も増えたため、耐震性も向上しました。
使っていなかったロフトはなくしてダイニング上部を吹抜けにして開放感もアップ。
キッチンとリビングの間にある構造上抜けない柱は、棚板を渡してちょっとした小物が飾れる場所にしました。
1階へ移動した水まわりは洗面室と脱衣室をセパレートに。
回遊動線でつなぐことで、より使いやすくなっています。
その対面にはファミリークローゼットを設け、効率的な洗濯動線も確立しました。
写真の事例詳細はこちら:事例No.956 光あふれる家族時間を大切に
重量鉄骨造の良さを生かしてつくったのびのび大空間LDK
【戸建て|築28年|リノベ面積 約115㎡】
最後は空き家のままになっていた、親族所有のメゾネットを受け継いでリノベーションした例。
細かく柱を立てなくても強さが保たれる重量鉄骨造の良さを生かして、1階はのびのびとした大空間LDKに。
階段も壁を取り払ってリビング階段にしました。
「最初に決めた!」というほどこだわったキッチンはウッドワンのもの。
作業効率を考えてⅡ型を選び、玄関からパントリーを通って直接キッチンに行ける家事動線も確保しました。
上下階を行き来しないで洗濯できるよう、1階にあった洗面室は2階に移動。
洗面室のカゴに入れた衣類は、物干しスペースとWICの間にあるユーティリティースペースで洗濯できます。
ユーティリティーの入り口には掃除機用のニッチも設けて、思い立ったらサッと手にとってお掃除できます。
写真の事例詳細はこちら:事例No.693 ずっと・・・もっと・・・家族の時間
まとめ
引き継いだ建物では多くの場合、断熱性能の低さと住宅密集地ゆえの暗さが課題になりがちです。また、安心して暮らすための耐震補強が不可欠なため、マンションよりは費用がかかるケースが多め。建て替えも視野に入れつつ、ベストな方法を探っていきましょう。