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リノベのコトバ(欄間)

2022年5月10日(火)
リノベのネタ帳|リノベのコトバ 欄間
古民家風のインテリアや、古い日本建築の良さをいかしたリノベーションで見かける「欄間」。
その歴史は古く、10円玉に描かれている「平等院鳳凰堂」に欄間の原型といわれるものがあります。
「平等院鳳凰堂」が建立されたのは1053年(平安時代)なので、1000年近く前に考案されたことになります。

リノベのネタ帳|リノベのコトバ 欄間 和室 障子 伝統工芸 意匠

・時代とともに進化した「欄間」
「平等院鳳凰堂」にある欄間は、もともとは採光が主な目的で、シンプルな格子型の建具だったようです。
その後、平安時代中~後期になると、菱形に木を組んだ「菱欄間」が、安土桃山時代には立体的で彩色された欄間も登場。
江戸時代には、一般の住宅に用いられるようになりました。

・「欄間」の種類
取り付ける場所と用途によって、欄間の呼び方は異なります。
和室と和室の間は「間越(まごし)欄間」で、部屋をゆるくつなげて風を通します。
縁側や玄関など、外との境界にあり、採光を目的としたものが「明かり欄間」。
床の間の横にある書院(障子窓のある座敷飾り)にとりつけられた「書院欄間」などもあります。

・デザインによる分類も
欄間はそのデザインによっても、様々な種類に分けられます。
原型としてあった「格子欄間」も、木の組み方や模様によって多くのデザインがあります。
花鳥風月などの彫刻が立体的に施された「彫刻欄間」は、文化財として高い価値をもつものも。
有名なものでは、日光東照宮の「三猿」もそうです。
ほかに、木に絵柄をくり抜いた「透かし彫り欄間」や、竹や木を櫛のように細かく並べた「筬(おさ)欄間」、障子紙を貼って開閉できる「欄間障子」、壁をくりぬいて左官仕上げを施した「壁抜き欄間」などがあります。

・いまや伝統工芸。既存にある人はぜひ残して
職人による様々な意匠と技術が受け継がれてきた「欄間」。
富山県の「井波彫刻」と大阪府の「大阪欄間」は国から伝統工芸品の指定を受けています。
建て替えやリノベーションをする場合も、もとのおうちに立派な欄間がある場合は残して、新たにデザインに組み込むことも検討してみてください。
新築では出せない美しい趣や、引き継がれてきた職人技を伝えるお家になるはずです。
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