【プランナー監修】マンション リノベーションで収納を増やすアイデアと成功のポイント
リノベーションでは間取りやデザインだけでなく、収納計画も暮らしやすさを左右する重要な要素です。マンションでは特に、構造上生まれるデッドスペースの有効利用や、コンパクトかつ動きやすい生活動線がポイントになります。マンションリノベーションで収納を充実させるアイデアや、後悔しないための注意点をプランナーに聞いてきました。

チーフプランナー 黒沢
二級建築士、インテリアコーディネーター
時間の経過と共に変わっていく暮らしの変化も想定したプランと、建物のポテンシャルを生かした美しいラインのおさまりに定評がある。
――――――――――――――――
目次
- 戸建てとどう違う?マンションリノベーションの収納計画
- マンションリノベーションの収納で後悔しがちな失敗は?
- マンションならでは!梁の出っ張りを生かしたリビング収納
- こんなこともできる!収納リノベーションのアイデア事例
- まとめ
――――――――――――――――
戸建てとどう違う?マンションリノベーションの収納計画
梁やパイプスペース(PS)など、動かせない出っ張りが
「戸建てと違い、マンションには構造上どうしても動かせない梁や柱などがあります」と黒沢プランナー。これらは建物を支える大切な部分ですが、部屋の中に出っ張ってきて、そのせいで収納家具が置けない、なんてことも。また、配管を通すパイプスペース(PS)収納計画の制約になることがあります。
「動かせない梁やパイプスペース(PS)は、出っ張りに合わせて収納をつくり、見た目をフラットにすることでスッキリします。逆に、柱や梁の出っ張りを隠すために、ふかし壁や下がり天井として仕上げられていることもあります。その内部にはデッドスペースが残されているケースも多く、リノベーションで収納として活用できれば、空間を無駄なく使うことができますね」(黒沢プランナー、以下同)。
これらは平面図だけでは把握できない部分も多く、現地での確認や厳密な採寸、さらに竣工図なども確認しながら収納計画を組み立てていきます。スペースの限られたマンションではギリギリまで空間を有効活用しつつ、見た目をすっきり整える役割も収納が担うことになります。
「梁の形状に合わせて収納内部を立体的に計画し、通常なら使いにくい空間まで収納として活用することもあります。
さらに、クローゼットをウォークスルータイプとするなど、マンションでは特に、収納も含めたコンパクトで動きやすい生活動線にこだわります」
「収納を増やしたい」というご要望は非常に多く寄せられます。ヒアリングと現地調査で住む人と場所に最適な収納計画をつくるのがリノベーションの役割になります。
マンションリノベーションの収納で後悔しがちな失敗は?
詰めすぎると使いづらく、取り出すためのスペースも必要
スペースをギリギリまで有効活用してつくった収納も、ぎっしりと物を詰めるとかえって使いづらくなってしまいます。
「モノを移動したり、取り出すためのスペースが必要です。そのため、収納はいっぱいまで詰め込むのではなく、10~20%は余白を残しておきたいですね。
また、ライフスタイルの変化に合わせて、収納に可変性を持たせることも意識しています。棚やパイプは高さを変えられるようにつくったり、住んだ後、お客様が自分でアレンジできるようにしておきます。
さらに、お子さまが小さいうちはファミリークローゼットが便利ですが、成長して部屋を持って、自分のものは自分の部屋にしまいたいとなった時のためにあらかじめ各部屋にも収納スペースを設けておくなど、将来もイメージしてプランを考えます」
他に住んでから後悔しやすいポイントとして、「暗い」「ジメジメする」といった問題があります。収納内の空気がこもらないよう換気窓や換気扇を設けて通風を確保したり、収納内部が見やすいよう照明計画を工夫したりすることも大切です。
ここからは、実際の事例をもとにマンションリノベーションの収納アイデアをご紹介します。
マンションならでは!梁の出っ張りを生かしたリビング収納
【築35年|リノベーション面積 約78㎡】

マンションでよくある、窓側のパイプスペースと天井の梁の出っ張りを利用した例です。
扉付き収納とアクセントクロスで彩った飾り棚、キッチン収納を納めて凹凸が目立たないよう整えました。

冷蔵庫やダストボックスもフラットに納めてすっきり。
パントリーも設けて収納力も万全です。
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_t122.html
【築16年|リノベーション面積 約66㎡】

こちらはリビングの一角にデスクスペースとパントリーをつくり、梁の出っ張りを納めた例。

横から見てもフラットですっきり。
さらにフラットにしたい時のために、デスクコーナーもパントリーもロールスクリーンで隠せるようにしました。
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_a35.html
マンションリノベーションで、しまいたいものに合わせてつくった収納でスッキリ見せる
【築43年|リノベーション面積 約62㎡】

玄関と廊下の上部に、ロングボードを置くためのスペースをつくった例です。
2m以上あるボードが2枚、スッキリと収まります。

こちらは自転車を収納できる土間スペース
このように、しまうものに合わせてスペースを確保すれば、これまで置けなかった荷物も置くことができます。
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_s55.html
【築45年|リノベーション面積 約58㎡】

廊下の収納の下部をニッチのように開けて、愛猫のトイレ用コーナーにしました。
上部の扉付き収納には、かさばりがちな予備の猫砂などをしまえます。
猫トイレは、床に置くと人がつまづいたり、猫が安心して用を足せないこともありますが、これなら落ち着けそう。

同じおうちで、リビングには天井までの本棚を造作しています。
天井梁の出っ張りも上手く取り込み、ここは奥行きが浅いので文庫本用の棚に。
場所に合わせてつくれるのは、造作ならではですね。
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_k142.html
こんなこともできる!収納リノベーションのアイデア事例
【築38年|リノベーション面積 約69㎡】

リビングの一角につくった扉付き収納と、隣のランドリールームでスペースを分け合った例。
畳コーナー上部の吊り収納とランドリールームのニッチでそれぞれ収納スペースが入れ違いになっています。
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_m101.html
【築25年|リノベーション面積 約72㎡】

窓が床から40cmほど高い位置にありバルコニーに出づらかったため、階段を造作した例です。
マンションの最上階などでは防水上、このように窓が高くなっているケースがたまにあります。

ステップはベンチとして腰かけたり、内部は収納としても使えるようにしました。
リビングまわりの雑多なものや、かなり大きいものもしまうことができます。
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_m81.html
【築16年|リノベーション面積 約70㎡】

最後は、できる限り居室スペースを確保したマンションリノベーションです。
玄関の靴収納を斜めにすることで、幅をコンパクトにまとめました。
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_t116.html
まとめ
マンションリノベーションの収納づくりは、限られた空間をどう生かすかという工夫の積み重ね。梁やPSなど動かせない構造物を味方にし、凹凸を活かした造作収納で見た目も使い勝手も整えることができます。今回ご紹介した事例のように、暮らしに寄り添ったアイデアが形になるのもリノベならでは。あなたのおうちの「使えていない空間」を一緒に見つけましょう!








