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【4号特例】2025年4月からリノベに建築確認が必要に⁉費用や工期はどうなる?

2024年5月12日(S)
2025年4月から建築基準法が改正され、住宅のリノベーションやリフォームが確認申請の対象になるといわれています。それによってリノベの方法や費用、工期はどのように変わるのでしょうか?リノベ検討者は、それまでに工事した方がいいのでしょうか?スタイル工房のプランナーに聞いてきました。


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目次

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Q1.「4号特例」って?なにが変わるの?

A1. 確認申請が省略できる戸建て(4号建築物)の対象が変わります


建築基準法では、木造2階建てや木造平屋は「4号建築物」と定義されています。これまでは建築士が設計を行った4号建造物は構造関係規定等の審査が省略できる、とされていました。これが「4号特例」です。

2022(令和4)年6月に公布された『脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律』によって、「4号建築物」が木造2階建てと延床面積200㎡を超える平屋からなる「新2号建築物」と、延床面積200㎡以下の「新3号建築物」に分けられることに。

「新2号建築物」については、これまで省略されていた「建築確認・検査」「構造関係規定等の審査」が必要になることになったのです。


出典:2024年4月(予定)から4号特例が変わります(国土交通省)

そのため、木造2階建て住宅の大規模な修繕・模様替えに対して建築確認申請が必要になるといわれています。
具体的には、リノベーション会社が構造関係規定等の図書(図面や仕様書のこと)と省エネ関連の図書を作成し、役所に提出することになります。

Q2. どのようなリノベーションが対象になるの?

A2. 壁や柱などの主要構造物を半分以上変えると対象になります


いま発表されている国交省の資料には「大規模な修繕・模様替え」が対象、とあります。それぞれ建築基準法では次のように定義されています。

大規模な修繕・・・・・
建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕をいう。
修繕とは、経年劣化した建築物の部分を、既存のものと概ね同じ位置に概ね同じ材料、形状、寸法のも のを用いて原状回復を図ることをいう。

大規模な模様替え・・・
建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の模様替えをいう。
模様替えとは、建築物の構造・規模・機能の同一性を損なわない範囲で改造すること、一般的に改修工事などで原状回復を目的とせずに性能の向上を図ることをいう。

カーテンや家具の配置を変える一般的な「部屋の模様替え」と違い、建築用語では修繕より模様替えの方が大規模な工事となります。同じクロスでの貼り替えや設備の交換は修繕、フローリングを無垢材やフロアタイルに張り替えるのは模様替えにあたります。
 
主要構造部には、次のようなものが含まれます。

主要構造部・・・壁、柱、床、はり、屋根又は階段

参照:参考 法律上の手続きと補助・融資等の制度(国土交通省)

主要構造部、過半、模様替と難しい用語が続きますが、大まかにいうと「壁、柱、床、はり、屋根か階段のうちひとつ以上を半分以上リフォームすると確認申請が必要」ということです。

そのため「老朽化していたキッチンやお風呂の位置を変えつつ交換した」「リビングを1階から2階に移動、その際に2階の内壁を撤去して空間をつなげた」などは、ある程度の規模の工事であっても、これまでと同様に申請なしでおこなうことができます。

屋根や外壁については2024年の2月に通達が出され、「屋根ふき材のみの改修は該当しない」「壁の内側からの断熱改修は該当しない」とされました。このように、今後もさらに具体的な内容が追加される可能性があります。

参照:屋根及び外壁の改修に関する建築基準法上の取扱いについて(国土交通省)
 

Q3. リノベーション、中古購入+リノベでの注意点は?

A3. 新築時に交付された「検査済証」があるかどうかの確認を


もしリノベーションで確認申請をおこなうことになったら、既存の建物が建築基準法を満たしていることを証明するための「検査済証」が必要になります。

検査済証は、工事後の完了検査に合格すると建築主に交付されるものです。昔は建築確認は受けていても「検査済証がなくても特にデメリットはない」という風潮だったため、1998(平成10)年度は完了検査率が38%という低さでした。2024年現在で築26年以上の建物が当てはまります。


出典:検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン(国土交通省)

その後、国や自治体による違法建築の取り締まりが強化されたり、住宅ローン審査時に検査済証の提出を求める金融機関が増えたことから検査率が上がりました。築10年未満の建物であれば、ほぼ完了検査を受けています。

中古戸建てを購入する場合は、不動産会社に検査済証があるかどうかを必ず確認しましょう。実家を受け継いでリフォームする場合や、実家を二世帯住宅にリノベーションして親と同居する場合なども同様です。

ただし検査済証を紛失してしまった場合でも、(完了検査を受けていれば)役所で「台帳記載事項証明書」を発行してもらい、代わりとすることができます。

Q4. 改正でリノベーション費用は高くなる?

A4. 確認申請が必要な工事であれば、プラス数十万円かかります


Q2で触れたような「壁、柱、床、はり、屋根か階段のうちひとつ以上を半分以上」の工事をおこなうとなったら、建築申請にいくら必要になるのでしょうか。

これは建物の規模や自治体によっても異なりますが、建築申請自体で10~20万円、そのための調書作成に40~50万円程度がプラスになります

建築申請をする以上、窓の防火性能や耐震基準なども現行法に合わせなくてはいけないため、工事が追加になる可能性も。その分の費用もかかってきます。

Q5. もしかしてリノベーション工期も延びる?

A5. 確認申請する場合は着工までの期間が1.5カ月ほど延びます


建築申請のための書類作成と、申請してから受理されるまでの期間として、1.5カ月ほどがかかります。これは着工前なので、仮住まいの期間等は変わりません。
 

Q6. 検討者はリノベを急いだほういいの?

A6. ムリに急ぐ必要はありません!気になるならご相談を


改正法の施行は2025年4月。「色々と制約が厳しくなったり、費用もかかるかもしれないなら今のうちに検討した方がいいかな?」とあせってしまうかもしれません。

でも、すでに触れたとおり、今後、施行までに曖昧だった点が定義されたり、緩和される可能性も。まだはっきりしていない部分があるうちから急ぎすぎて無理をするよりは、今後の発表を注視しつつ、自分が最も動きやすいタイミングでおこなうのがオススメです。

そもそも確認申請が必要なプランに当てはまるかどうかも、住む人の要望や建物によってケースバイケースです。予算や建物の状況に応じて、確認申請が必要になるような大規模工事を避けつつ、住みやすいプランをつくることもできます。もし気になる方は、一度ご相談ください。
 
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