【プランナー監修】ランドリールームが欲しい!ムダのない家事動線&間取りのつくり方
2024年1月29日(M)
いま、リフォームやリノベーションで注目が集まっているのが「ランドリールーム」の存在。洗濯ものを室内で乾かすことができれば、帰宅が遅くなってしまっても、急に雨が降ってきても安心です。今回はスタイル工房のプロデューサー兼チーフプランナーに、ランドリールームをつくるときのコツを聞いてきました。
お話を伺ったのは・・・
「家事ラクを重視する共働きのご夫婦もそうですが、花粉症などで外に洗濯物を干したくない人や、住宅密集地やタワーマンションのお宅など。幹線道路が近いおうちもそうですね。都市部を中心に増えています」。
他にも、子どもが小さくて洗濯物が多いご家庭は、ガス式の強力な乾燥機を入れることが多く、洗濯機と乾燥機を並べて置き、その場でたたんでクローゼットへ……とランドリールームだけでお洗濯が片付くようにするケースも。
さらに、コロナで手洗いが定着したことにより、洗面カウンターを廊下やリビングの一部に置く間取りが人気に。これまで洗面脱衣室だったスペースを、脱衣室兼ランドリールームとするパターンも増えたのだそうです。
キッチンのすぐ隣であれば、お料理をしながらお洗濯もしやすく、水まわりが近くに集まることで配水管も短くてすみます。また、前述の脱衣室兼ランドリールームの場合は、お風呂~ランドリールーム~キッチンを並べることでムダの少ない動線にすることができます。スペースの限られたマンションでは、特に人気の間取りだそうです。渡辺によると、ランドリールームに必要なものや素材選びのポイントは以下のとおり。
ランドリールームにオススメの素材&あったら便利なもの
■床・・・水に強いフロアタイルがオススメ。デザインのバリエーションが豊富です
■壁・・・調湿してくれる珪藻土が良いものの、洗濯物が当たると白くなるデメリットが。普通のクロスでもOK
■物干し竿・・・ハンガーパイプか、取り外しできる物干し竿を設置
■棚板・・・水に強い合板で、お手持ちのカゴに合わせてつくったり、可動式にしたり
■カウンター・・・洗濯物をたたんだり、アイロンに。奥行き450~500㎜、幅600~900㎜ほどで造作
■洗濯機・・・リフォームを機に購入する人も多数。早めにサイズが分かればより正確にプランに組み込めます
■乾燥機・・・強力なガス式は壁に穴を空ける必要が。マンションでは設置が難しい場合があるので注意
ここからは、実際にランドリールームをつくった事例を見てみましょう。
渡辺の話にもあった通り、お風呂~ランドリールーム~キッチンの動線で、廊下側に洗面を出しています。廊下を挟んだ向かいにウォークインクローゼットがあるため、洗濯ものをしまう動線もコンパクト。
こちらが廊下側からのアングル。手前に収納と洗面カウンター、奥に洗濯機が見えますね。
突き当たり左がバスルーム、右がキッチンです。
キッチン側から見るとこんな感じで、右奥がランドリールーム、左側に見えているアールの入り口がWIC。
回遊動線で効率的に動ける間取りになっているのが分かります。
共働きで多忙なご家族で、家事動線の効率化はリノベーションの大きなテーマだったそう。
マンション暮らしに慣れているということで、1階のワンフロアで家事が済むようにプランニングしています。
1階はキッチンを中心に、ランドリールームは南側に配置し、すぐお隣にクローゼットをつくりました。
陽当たりのいい南側が通路に面しているため、部屋干しできるランドリールームを配置。
天窓から光が入り、室内でも洗濯物を日光に当てることができます。
リビングとは半透明の建具で仕切って、光は通しつつ目隠し。
すぐお隣にはクローゼットをつくり、ランドリールームでたたんだ洋服をすぐにしまえます。
リビングとのつながりはこんな感じで、キッチンとはフロアタイルで床をつなげています。
ハイドアの引き戸なので、開け放っても空間がすっきりと見えますね。
2階LDKの隣にゆったりとつくったランドリールームがこちら。
カウンターをデスクとしてもつかえるユーティリティスペースです。
奥のドアからバルコニーに出られるため、お天気の良い日は外干しもできます。
リビングからはこのような感じで、室内窓の奥がランドリールームです。
窓枠のブラックがインテリアのアクセントにもなっていますね。
お話を伺ったのは・・・
チーフプランナー 渡辺ノリエ
二級建築士、スタイル工房チーフプランナー。マンション、ツーバイや築古の戸建てなど、
難易度の高いリノベーションにも数多く携わる。お客様やメンバーと共に心地の良い暮らしを導き出す。
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目次
- ランドリールームとは?こんな人にオススメ!
- ランドリールームの家事動線、間取りのポイント、注意点は?
- ランドリールームの事例① マンションは脱衣室兼用で
- ランドリールームの事例② 部屋干し前提で南側に
- ランドリールームの事例③ 外干しにも対応した家事室
- まとめ
ランドリールームとは?こんな人にオススメ!
最近ますますオーダー増加中!その理由は?
ランドリールームとは、その名の通り「洗濯室」のこと。洗濯機や室内干しのためのスペース、おうちによっては乾燥機、アイロンがけや洗濯物をたたむためのカウンターなどを備えた場所のことです。プランナーの渡辺によると、最近「ランドリールームをつくってほしい」という依頼がとても増えてきているのだそうです。「家事ラクを重視する共働きのご夫婦もそうですが、花粉症などで外に洗濯物を干したくない人や、住宅密集地やタワーマンションのお宅など。幹線道路が近いおうちもそうですね。都市部を中心に増えています」。
他にも、子どもが小さくて洗濯物が多いご家庭は、ガス式の強力な乾燥機を入れることが多く、洗濯機と乾燥機を並べて置き、その場でたたんでクローゼットへ……とランドリールームだけでお洗濯が片付くようにするケースも。
さらに、コロナで手洗いが定着したことにより、洗面カウンターを廊下やリビングの一部に置く間取りが人気に。これまで洗面脱衣室だったスペースを、脱衣室兼ランドリールームとするパターンも増えたのだそうです。
ランドリールームの家事動線、間取りのポイント、注意点は?
換気や素材がポイント。水に強いものを選んで
「濡れたものを扱うので、通風や換気は絶対に必要です。マンションでは窓のない場所であることも多いため、換気扇を設置したり、広さによってはエアコンをつけることも。難しければ室内窓で空気の通り道をつくり、サーキュレーターで空気を動かしましょう。場所は家事動線を考えて、キッチンとお風呂の間につくることが多いですね」。キッチンのすぐ隣であれば、お料理をしながらお洗濯もしやすく、水まわりが近くに集まることで配水管も短くてすみます。また、前述の脱衣室兼ランドリールームの場合は、お風呂~ランドリールーム~キッチンを並べることでムダの少ない動線にすることができます。スペースの限られたマンションでは、特に人気の間取りだそうです。渡辺によると、ランドリールームに必要なものや素材選びのポイントは以下のとおり。
ランドリールームにオススメの素材&あったら便利なもの
■床・・・水に強いフロアタイルがオススメ。デザインのバリエーションが豊富です
■壁・・・調湿してくれる珪藻土が良いものの、洗濯物が当たると白くなるデメリットが。普通のクロスでもOK
■物干し竿・・・ハンガーパイプか、取り外しできる物干し竿を設置
■棚板・・・水に強い合板で、お手持ちのカゴに合わせてつくったり、可動式にしたり
■カウンター・・・洗濯物をたたんだり、アイロンに。奥行き450~500㎜、幅600~900㎜ほどで造作
■洗濯機・・・リフォームを機に購入する人も多数。早めにサイズが分かればより正確にプランに組み込めます
■乾燥機・・・強力なガス式は壁に穴を空ける必要が。マンションでは設置が難しい場合があるので注意
ここからは、実際にランドリールームをつくった事例を見てみましょう。
ランドリールームの事例① マンションは脱衣室兼用で
廊下を挟んだ向かいに収納を配置し、しまうのもラクラク
まずはマンションで人気の、脱衣室兼ランドリールームの間取り。渡辺の話にもあった通り、お風呂~ランドリールーム~キッチンの動線で、廊下側に洗面を出しています。廊下を挟んだ向かいにウォークインクローゼットがあるため、洗濯ものをしまう動線もコンパクト。
こちらが廊下側からのアングル。手前に収納と洗面カウンター、奥に洗濯機が見えますね。
突き当たり左がバスルーム、右がキッチンです。
キッチン側から見るとこんな感じで、右奥がランドリールーム、左側に見えているアールの入り口がWIC。
回遊動線で効率的に動ける間取りになっているのが分かります。
ランドリールームの事例② 部屋干し前提で南側に
1階だけで家事が完結するように動線を整理
続いては戸建ての例を見てみましょう。共働きで多忙なご家族で、家事動線の効率化はリノベーションの大きなテーマだったそう。
マンション暮らしに慣れているということで、1階のワンフロアで家事が済むようにプランニングしています。
1階はキッチンを中心に、ランドリールームは南側に配置し、すぐお隣にクローゼットをつくりました。
陽当たりのいい南側が通路に面しているため、部屋干しできるランドリールームを配置。
天窓から光が入り、室内でも洗濯物を日光に当てることができます。
リビングとは半透明の建具で仕切って、光は通しつつ目隠し。
すぐお隣にはクローゼットをつくり、ランドリールームでたたんだ洋服をすぐにしまえます。
リビングとのつながりはこんな感じで、キッチンとはフロアタイルで床をつなげています。
ハイドアの引き戸なので、開け放っても空間がすっきりと見えますね。
ランドリールームの事例③ 外干しにも対応した家事室
リビングとは室内窓でつなげ、バルコニーへも出られる
最後にご紹介するのは、リフォームではなく建て替えを選択されたおうち。2階LDKの隣にゆったりとつくったランドリールームがこちら。
カウンターをデスクとしてもつかえるユーティリティスペースです。
奥のドアからバルコニーに出られるため、お天気の良い日は外干しもできます。
リビングからはこのような感じで、室内窓の奥がランドリールームです。
窓枠のブラックがインテリアのアクセントにもなっていますね。