事例で学ぶリノベーションの予算感!考え方から費用を抑える方法まで
予算がハッキリしないままだとリノベーションを進めることができません。
また、大まかなイメージだけでアバウトに決めてしまうと本来の予算を大幅に超過してしまう可能性があるので、正しい方法で予算を立てる必要があります。
この記事では、実際にリノベーションした方の事例を参考にしながら、どういったリノベーションにいくらかかるのかについて詳しく紹介していきます。
予算の立て方や考え方、予算を抑えてかしこくリノベーションする方法なども紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
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目次――――――――――――――――――――
リノベーションにかかる費用の目安
リノベーションの費用は、リノベーションの内容や用いる建材・設備、また、施工を依頼する業者によって異なるため、一概に「〇〇万円かかる」と言い切ることはできません。
ただ、おおよその費用相場を把握しておくことは可能です。ここでは、戸建てとマンションに分け、それぞれの住宅をリノベーションする際の費用相場について解説していきます。
戸建てのリノベーションにかかる費用の目安
戸建てのリノベーションの費用相場は、一平米あたり12~30万円ほどとなっています。戸建てのリノベーションは、マンションをリノベーションするときの費用相場よりも高くなりやすい傾向にあります。
ただ、戸建てはマンションのように専有部分と共用部分が分かれておらず、できることが非常に多いので、費用の目安を算出するのが難しくなってしまいがちです。
また、戸建ては住宅によって構造が大きく異なることも珍しくありません。費用は住宅の構造によっても大きく変動するため、相場より高くなる可能性もありますし、逆に安く抑えられる可能性もあります。
マンションのリノベーションにかかる費用の目安
マンションのリノベーションの費用相場は、一平米あたり約10〜25万円ほどです。この費用相場に当てはめて考えた場合、40〜50㎡ほどの単身者用マンションをリノベーションする場合であれば400〜1,250万円ほどかかることになります。
また、ファミリー向けのマンションは75〜100㎡ほどと単身者用のマンションに比べて広くなるので、750〜2,500万円ほどかかることになります。
事例から学ぶリノベーションの予算感
リノベーションにかかる予算を考える上で参考になるのが、実際にリノベーションを行った方の事例です。やりたいリノベーションに近い事例の費用を参考にすることで、より正確に予算感をイメージできるようになります。
ここでは、弊社「株式会社スタイル工房」でリノベーションを行ったお宅の事例を、リノベーションの内容とかかった費用に関する情報を交えながら紹介していきます。
部屋に入った瞬間木の香りが香る心地よい空間
参照元:木の香りに包まれた心地よい大空間
こちらは、築18年の115㎡の戸建ての、1階部分を中心にリノベーションした事例です。
独立して配置されていたキッチンを、もともと和室があった場所に移動させ、開放感の感じられるLDKに変更。
キッチンの床はリビングの既存床と合わせるためにパイン材を使用しています。
また、キッチンの吹き抜けとなっていた部分にはカウンターを造作し、書斎として活用できるようにしました。
こちらのお宅のリノベーションにかかった費用はトータルで1,100万円(税込)となっています。
自然と家族が集まるリビングのあるお家
参照元:リビングが家族みんなのお気に入りこちらは、築40年の80㎡の戸建てをリノベーションしたお宅の事例です。
こちらの事例でも一階部分を中心にリノベーションをおこなっています。
もともとは玄関から廊下を通ってリビングにアクセスする間取りになっていましたが、その廊下を取り込んで広々としたLDK空間を確保しました。壁付けだったキッチンを対面タイプに変更したことで、リビングで遊ぶ子どもたちを見守りながら料理をおこなえるようになっています。
廊下を取り込むにあたってトイレの位置を変更したり、キッチンの造作やフローリングに無垢材を取り入れるなど全体的に幅広くリノベーションしていますが、既存の設備を上手く活用しているため、費用は1,480万円(税込)に抑えられています。
一人の時間も、二人で過ごす時間も大切にできる家
参照元:住まいを整え 心も整う
こちらは、築19年、74㎡のマンションをフルリノベーションしたお宅の事例です。
また、こちらもご希望どおり、ご夫婦それぞれのこだわりが詰まった書斎も用意しました。
一人の時間だけでなくお二人で過ごされる時間も大切にしたいとのことでしたので、お二人の時間も満喫できるようLDKは広めに確保し、リビングの脇には和室の小上がりスペースを設けました。小上がりスペースの下部には大きな収納が設けられているので、利便性も抜群です。
こちらの事例では、造作した箇所が多く、自然素材をふんだんに使用しているため、1,600万円(税込)ほどかかっています。
家族の時間を楽しむ光あふれる一軒家
参照元:光あふれる暮しに Switchこちらは、築27年、80㎡の戸建てをフルリノベーションしたお宅の事例です。
奥さまが育ったご実家をご両親から譲り受けたものの、築年数が30年近い物件だったこともあってフルリノベーションすることに。
仕事と家庭を両立しつつ、変化する家族の暮らしに対応できる住宅を希望されていたということもあって、スタディルームやお菓子工房、書斎を設けるなど、ご家族5人で楽しめる空間になるようリノベーションしました。
また、1階のLDKに光が入りづらく、室内が暗く感じられたため、2階にあった個室とLDKの位置を逆転させ、家族が集まるLDKに光が入るような間取りに変更しています。
かかった費用は2,200万円(税込)で、断熱サッシの導入や間取りの変更にともなう耐震工事までおこなっています。
おばあさまから譲り受けた思い出の家を新築のように暮らせる住宅へ
参照元:新築のようにくらす家
こちらは、築42年、117㎡の戸建てをフルリノベーションしたお宅の事例です。
空き家になっていた築42年の戸建てをおばあさまから受け継いだNさま。
築年数が40年以上だったこともあって、新築にするべきかリノベーションするべきか悩んでおられましたが、しっかりとした造りの住宅だったため、フルリノベーションを提案させていただきました。
住宅の中央にあることでフロアを分断してしまっていた玄関と玄関ホールを東側の角に移動し、フロアの中央に広々としたLDKを配置するなど、間取りを大きく変更。
リビングの隣には客間として活用しやすい和室も配置しています。
他にも、老朽化した設備や給排水管を一新させたり、外壁の補修や耐震補強、耐熱改修などをおこなうことで、家族が安心して暮らせる、新築と同等の住宅性能を持つ家に生まれ変わりました。
こちらの住宅のリノベーションにかかった費用は、3,500万円(税込)となっています。
リノベーションに向けた予算の立て方
参照元:プランナーに聞いた!⑦「新築に必要な費用ってなに?」
リノベーションに向けて予算を立て始めるときに押さえておきたいポイントとしては、
●予算内でできることを把握する
●やりたいことの優先順位を決める
●工事にかかる費用以外についても考慮しておく
の、3点があげられます。
これらのポイントを意識しながら予算を考えることで、予算を大幅にオーバーするなどの失敗を避けられるようになるので、ぜひ押さえておくようにしましょう。
それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。
予算内でできることを把握する
リノベーションに向けて予算を立てる際は、まず予算内でできることを把握することが大切です。
どれくらいの金額でどういったリノベーションを行えるのかを把握しておくことで、より予算を考えやすくなります。
やりたいことの優先順位を決める
リノベーションの予算を立てるには、リノベーションでやりたいことを明確にしておかなくてはいけません。
クロスの交換やフローリングの交換、間取りの変更など、リノベーションでやりたいことをリストアップしたら、やりたいことの優先順位を決めていきましょう。
余裕を持って予算を確保できるのであればやりたいことをすべて行うこともできますが、予算が限られてしまっている場合だと、「やりたいことをすべてやろうとすると予算をオーバーしてしまう…」となってしまいかねません。
そういった状況になってから慌てて対応するという事態を避けるためにも、やりたいことの優先順位を決めておくことが大切だと言えるわけです。
必須でおこないたいことや必ず取り入れたいものを決めておいたり、予算的に厳しい場合は妥協してもいいものなどを決めておくのもおすすめです。
優先順位を設定しておくことでより予算をイメージしやすくなりますし、予算内で収められるようになります。
工事にかかる費用以外についても考慮しておく
住宅をリノベーションする際にかかる費用は、工事費用だけではありません。
住宅を新しく購入してリノベーションするのであれば住宅の購入費や不動産業者への仲介手数料など住宅の取得に関するさまざまな費用が発生します。
また、新しい住宅に合わせて家具や家電を購入する場合はそれなりの費用がかかりますし、今住んでいる住宅をリノベーションする場合は仮住まいの家賃も発生することになります。
これらの費用を含めずに予算を組んでしまうケースは意外と多いので注意してください。
▼もっと詳しく知りたい!▼
プランナーに聞いた!④「工事費用以外にかかるお金」
リノベーションの予算を抑える方法
リノベーションの予算を抑える具体的な方法としては、●担当者に予算を伝える
●建材や設備のグレードを見直す
●補助金を活用する
●大きな間取りの変更を避ける
の、4つがあげられます。
それぞれ詳しく解説していきます。
担当者に予算を伝える
住宅のリノベーションでは予算をオーバーしてしまうことが多々あります。数万円程度であれば目をつむることもできますが、数十万〜数百万円でオーバーすることもあるので注意が必要です。
予算オーバーを避けるには、予算の上限を担当者にしっかりと伝えることが大切です。
「絶対に予算を超えたくない」「予算をオーバーしてしまうと厳しい…」という場合は、その旨を担当者に明確に伝えるようにしましょう。
提案内容によっては多少の予算オーバーには目をつむれるという場合は、そのことも伝えるようにしてください。
その方がより良いプランを提案してもらいやすくなります。
建材や設備のグレードを見直す
住宅のリノベーションにはさまざまな建材や設備が用いられますが、それらの建材や設備にはグレードがあります。機能性の高いものや自然素材を用いたグレードの高い製品は非常に魅力的で、導入することでより便利な空間になりますし、空間をグッと引き締めてくれたりもします。
ただ、その一方で価格が高いというデメリットもあります。
グレードの高い建材や設備ばかり選んでしまうとあっという間に費用が膨らんでしまうので、予算を抑えたいのであればグレードも意識するべきです。
必ずしもすべての建材や設備のグレードを落とす必要はなく、「家族みんなが集まるリビングにはグレードの高い建材や設備を導入して、寝室の建材や設備のグレードは抑えめにしよう」など、やりたいことやこだわりたい箇所の優先度を意識しながら選ぶようにしましょう。
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「リノベのコストダウンの工夫」
「リビングに収納に洗面...100万円以内でどこまでリノベできる?」
「玄関土間にペットリノベ…200万円で実現できますか?」
補助金を活用する
リノベーションにかかる予算を抑えたいのであれば補助金もチェックしておくべきです。
リノベーションの中には補助金の対象となるものもあり、活用することでよりお得に施工できるようになります。
補助金の対象となるものとしては、
●耐震
●エコ・省エネ
●介護・バリアフリー
などがあげられます。
耐震やエコ、介護に関連するリノベーションを行う際は、リノベーション業者の担当者に相談し、利用できる制度がないか確認してもらうようにしましょう。
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【2023年度最新版】住宅のリノベーションに活用できる補助金制度まとめ
大きな間取りの変更を避ける
壁を撤去して空間を広げたり水回りの設備を移動するなど、リノベーションでは住宅の間取りを大きく変えることも可能です。ただ、大掛かりな間取りの変更をともなうリノベーションは、住宅を大きく作り変える分、費用もかさみます。
予算を抑えたいと考えているのであれば大きな間取りの変更は考えないようにしましょう。
予算を抑えるには既存の間取りを活かしたプランニングが必要になるので、提案力があり経験豊富な会社に相談するようにしましょう。
ローンを組んでリノベーションするときのポイント
ここまで解説してきたとおり、リノベーションの費用は高額になりがちです。そのため、すべて自己資金でまかなうのでなく「ローンで」と考えている方も少なくないでしょう。
物件の購入とリノベーションを同時におこなう予定の方には、リノベーション費用も含めて融資してもらえるおまとめローンがおすすめです。
今の住宅を売却して新しく住宅を購入し、リノベーションもあわせておこないたいと考えているもののローンの残債が残ってしまうようなケースには、住み替えローンがおすすめだと言えるでしょう。
今の住宅をリノベーションするのか、あるいは住宅を新しく購入してリノベーションするのかなど条件によって最適なローンが異なるので、損をしてしまわないためにも、さまざまな商品を比較検討しながら選ぶようにしてください。
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<前編>物件の決済からお引き渡しまで~住宅ローン本審査編~
<後編>物件の決済からお引き渡しまで ~住宅ローン本審査編~
まとめ
住宅のリノベーションで後悔したくないのであれば、予算はしっかりと考えながら組むべきです。アバウトに決めてしまうと、毎月の返済が厳しくなったり、予算を大幅にオーバーして本来手をつけるはずではなかったお金から費用を捻出しなければならないなど思わぬ事態につながってしまいかねません。
今回紹介したポイントを参考にしながら、しっかりと予算を組むようにしましょう。
ただ、より具体的な費用は業者に相談したり見積もり作成してもらうまでハッキリしないので、なるべく早いタイミングでリノベーション会社に相談することも大切です。
やりたいことと予算の上限が決まったら、ぜひ一度、弊社「株式会社スタイル工房」にご相談ください。