【積算担当に聞くvol.3】積算で身につくスキルとは? チームづくりと広がるキャリア
施工管理から積算へ移り、約15年にわたって経験を積んできた竹原さん。現在は積算課のリーダーとして、見積もりの作成に加え、チームの仕事を支えるルールや仕組みづくりにも取り組んでいます。今回は、積算課のチームづくりや、メンバーそれぞれの強みを生かす仕事の任せ方、積算を通して身につく知識やスキル、向いている人の特徴などを伺いました。
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積算課リーダー 兼 商品企画・購買・推進役 竹原
大学で建築とデザインを学んだ後、店舗内装会社に新卒入社。2011年にスタイル工房へ転職し、現在は積算課リーダーとして、積算をはじめ商品企画・購買など幅広い業務を担当している。プライベートでは住みながら緩やかに自宅リノベーションを進行中。自身で施工も手がけながら、家族と愛猫が心地よく暮らせる住まいづくりを目指しています。
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目次
- 個人のやり方から共通の仕組みへ|積算課の均質な見積もりをつくるチームづくり
- 得意分野を生かして仕事の幅を広げる|積算課の仕事の任せ方
- 建築を幅広く理解するゼネラリストへ|積算で身につく知識とスキル
- 問題を見つけ、解決方法を考える|積算職に向いている人
- 積算の先に広がるキャリア|幅広い仕事で活躍できる人材を育てる
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個人のやり方から共通の仕組みへ|積算課の均質な見積もりをつくるチームづくり
私が積算へ異動した約15年前は、上司が一人で積算を担当していました。その後、私が加わり、さらにメンバーが入れ替わる中で、次第に私が積算課をまとめる立場になりました。ただ、当時は二人体制。お互いが一人親方のように、それぞれのやり方で仕事を進めている状態でした。リーダーという立場ではありましたが、チームとして共通のやり方を整えるところまでは、なかなか手が回りませんでした。
転機となったのは、4年前に3人目のメンバーが加わったことです。積算課として初めて、教育や管理にも取り組むようになりました。人を管理するのは初めてだったので試行錯誤の連続でしたが、4年間続ける中で、仕事量や経験値に関するデータも少しずつ蓄積されてきました。
積算では、担当者によって価格感や判断基準が異なると、同じ案件でも見積金額にばらつきが出てしまいます。そこで現在は、個人のやり方を細かく修正するのではなく、作業の流れにルールやチェックを組み込むことに力を入れています。決められたフローに沿って作業すれば、必要な確認を漏らさず、一定の基準で見積もりをつくれる仕組みです。一人ひとりの考え方や得意なことは生かしながら、見積もりの品質はそろえる。自分と同じ仕事の仕方を求めるのではなく、仕組みによって品質を保てるチームを目指しています。

得意分野を生かして仕事の幅を広げる|積算課の仕事の任せ方
積算課では、見積もりの作成だけでなく、メンバーにも幅広い仕事を経験してほしいと考えています。そのため、任せる仕事は一律ではなく、それぞれの得意分野に合わせて決めています。例えば、フローやマニュアル、フォーマットづくりが得意なメンバーには、積算の進め方を整理したり、メンバーごとの習熟度を一覧で見える化したりする仕事を任せています。表計算や関数に強いメンバーには、私が担当している積算システムの更新作業をサポートしてもらっています。また、メーカーのショールームで新商品を見学し、その内容を社内に共有してもらうこともあります。私自身、積算だけでなく商品企画や購買も担当してきました。そうした経験も踏まえ、メンバーにも積算にとどまらない仕事に触れてほしいと思っています。
一人ひとりの強みを見つけ、仕事に生かしていく。本人にとって新しい経験になるだけでなく、チームとしてできることも増えていくと考えています。
建築を幅広く理解するゼネラリストへ|積算で身につく知識とスキル
積算は、まだ完成していない建物を頭の中で組み立て、工事の内容を数字に落とし込む仕事です。どのような順番で工事を進めるのか、どれくらいの人手や時間が必要なのか、どの商品を使うのか。そうしたことを考えるため、建築や現場、法規、商材など、幅広い知識が求められます。
一つの分野を深く掘り下げるだけでなく、さまざまな知識や経験を横断して生かせることが、積算の面白さです。経験を積むほど、状況に応じて多角的に判断できるようになり、ゼネラリストとしての強みにもつながると思います。
プライベートでも、建物を見る視点は変わりました。建築に携わる人には、建物のボリュームや形状など、設計の考え方に目が向く人も多いのですが、私は細かい部分が気になります。例えば、横浜の大さん橋のウッドデッキを見れば、どのような材料をどう組んでいるのか、潮風に当たってもこの程度の劣化で済むのか、とか(笑)。商業施設で妻がアクセサリーを選んでいる間も、気づけば壁材を見ていたり。気になった壁材は写真に撮り、仕事に生かすこともあります。

問題を見つけ、解決方法を考える|積算職に向いている人
積算はパソコンに向かう時間が長く、事務職のような仕事だと思われるかもしれません。ただ、実際には、プランナーや設計、工事部など、社内のさまざまな人や部署をつなぐ調整役でもあります。それぞれの立場から相談を受け、条件を整理しながら解決方法を考えるため、数字を扱う力だけでなく、コミュニケーション力も必要です。また、誰かから相談されるのを待つだけでなく、社内で起きている問題を自分から見つけ、解決に向けて動く姿勢も大切です。困りごとの解決にやりがいを感じたり、もっとよくする方法を考えたりすることが好きな人は、積算に向いていると思います。
建築や現場についての知識も欠かせません。例えば、職人さんが一日でどれくらい作業を進められるのかをイメージできなければ、適切な見積もりはつくれません。そのため、施工管理など現場の経験がある人は、力を発揮しやすい職種だと思います。
一方で、あまり経験がなくとも、最初の数か月は現場で経験を積んでから、積算担当として成長しているメンバーもいます。大切なのは、経験したことをそのままにせず、知識として蓄積していくこと。疑問を放置せずに解決しようとする姿勢や、得た情報を仕事に生かし、よりよい方法を考え続ける力が成長につながると思います。
積算の先に広がるキャリア|幅広い仕事で活躍できる人材を育てる

積算の経験を積むことで、一つの案件をさまざまな立場から考えられるようになります。建物を理解し、金額を組み立て、商品を選び、関係する人と調整する。そうした経験を重ねることで、案件全体を見渡しながら判断する力が身についていきます。スタイル工房では職種ごとに分業して仕事を進めていますが、小規模な工事では、一人で複数の役割を担える人材が求められる場面もあります。積算で培った経験は、そうした仕事にも生きてくるはずです。将来的には、積算にとどまらず、さまざまな仕事に挑戦できる人材を育てていきたいと思っています。
建築の仕事というと、設計や現場を思い浮かべる人が多いかもしれません。でも、建築に関わる方法はそれだけではありません。さまざまな条件を整理し、問題の解決方法を考え、仕事の流れをよりよくしていく。そんな仕事に興味がある方にも、ぜひ積算に挑戦してもらいたいと思っています。
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