【お客様の声】アートと暮らすリノベーション。「好き」に囲まれて、自分自身を整える住まい
ひとつひとつ迎えたアート作品を美しく飾りたい。その想いを起点に、お住まいのマンションをリノベーションしたS様。暮らしやすさを備えつつ、アート作品を存分に飾れる空間づくりはどのように進んだのか、リノベーション後の暮らしはどのように変わったのかを伺いました。
リノベーションのきっかけは「ある夜、ドアノブが抜けたこと」
築年数を重ねた住まいを、暮らしごと見直す
お母様が購入した住まいを引き継ぎ、住み始めて16年になるS様邸。入居当時は大きなリフォームはせず、クロスを交換する程度で暮らしていました。ところがある夜、寝室からトイレへ行こうと扉を開けたところ、ドアノブだけがすっぽり抜けてしまったそうです。
「そんなことが起きるということは、別の場所も傷んできてるんだろうなと思って。以前から妻も『古くなってきたから水まわりだけでも替えたい』と言っていたので、翌朝リノベーションしよう、という結論になりました」(S様、以下同)。
築年数は約50年。建具や設備の不具合が今後も出てくる可能性があるため、部分的に直すより、まとめて改善したほうが結果的にコストも抑えられると判断。間取りの見直しも含めたフルリノベーションに踏み切ることにしました。
もう一つ、S様には明確な希望がありました。それが、長年集めてきたアート作品を適切に設置できる空間をつくること。暮らしやすさと、好きなものを楽しむ暮らし。その両方を叶えられるリノベーション会社探しが始まりました。
アートを生かすリノベーションプランが会社選びの決め手に
カギは「作品への理解と、空間全体を見渡せる提案」
リノベーション会社については、住宅関係のライターをしているご友人に相談。紹介されたのが、ご自身も自宅のリノベを依頼したというスタイル工房でした。ほかにも2社ほどを候補に挙げて、まずは話を聞いてみることに。
決め手になったのは、「アート作品をできるだけ充実して置きたい」というS様の希望をどう受け止めたか。「最初に現地調査に来られたときに、作品自体に反応した方がスタイル工房さんにいらっしゃって、なんだかいいなって思ったんです」作品の魅力を理解したうえで提案してもらえるのでは?と期待が高まったそうです。
実際に提案されたプランも、他社は作品を飾るための壁面積を確保することを優先したぶん間取りが細かく区切られてしまったのに対し、スタイル工房は住まい全体を見渡せる広がりを確保。特に印象的なのが、東側の窓の前に新たに立てた壁です。
一般的にはデッドスペースになりかねない場所ですが、リビング・洋室・和室をまとめたLDKは3面開口。明るさは十分に確保できること、この壁によってLDK空間の3面の壁に作品を飾り、一望できることがS様の心に響きました。
「プランナーさんにとっても初めての試みだったようで『いかがでしょうか』とおずおず聞いてくださったのですが、私たちはこれがいい!と、即決でした。たくさんあった蔵書の収納についても、窓の上部のスペースと寝室の入り口壁全面に本棚を造作するという、こちらの予想を超える提案が素晴らしかったですね」
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作品のさまざまな表情を引き出す「光」と「余白」へのこだわり
時間や照明で変わる見え方。所有者だけが味わえる喜び
S様の住まいに飾られているのは、当然ながら一つひとつがご自身の目で選んで迎えた作品たち。それらの見え方や保存性まで考え抜かれた空間づくりが、今回のリノベーションの鍵となっています。
まず、光の扱い。照明はすべて調光調色可能、Ra(平均演色評価数)94、拡散配光、作品の邪魔をしないようミニマムデザインかつミニマルサイズのものを設置しました。美術館のようにスポットライトを当てるのではなく、作品本来の質感が自然に感じられる明るさを選ぶことで、日々の表情の違いを楽しむことができます。
「天気や調光の加減によって、作品の見え方がかなり変わります。それだけでなく、自分のコンディションによっても全く違って見えるんです。例えば、朝は異様にくっきり見えたり。これは、作品を所有してこその経験ですね」
作品の配置についても、慎重に見え方を整えています。「同じ作家のものを並べたり、写実的な作品はまとめたり。壁に取り付けたときの影の入り方、色のコントラストやグラデーションなども考慮して、まずはパソコンの画面上でシミュレーションしてから実際の作業に入ります」。
壁面をすべて埋め尽くすのではなく、あえて余白を残しているのもポイントです。余白がリズムをつくり、作品同士の関係性を際立たせています。
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アートは「精神の涵養所」。好きなものに囲まれて過ごす時間
ギャラリーではなく、自分らしく心を休ませる場所
たくさんのアート作品が並ぶS様の住まい。しかしS様が目指したのは「ギャラリー風の空間」でも、「アートのあるおしゃれなインテリア」でもありません。
「ぱっと見はギャラリー風、みたいに見えるかもしれないんですが……自分にとってここは精神の避難所というか、ちょっと難しい言葉ですが『涵養所』という感じなんです」
涵養(かんよう)とは、水が地中へしみ込むように、じっくりと養い育てること。S様にとって、アートは特別な日に鑑賞するものではなく、日々の暮らしの中で自然に目に入り、しみ込むように心を癒してくれる存在なのかもしれません。
作品を選ぶときも理屈ではなく、自分の感覚を大切にしているS様。「ギャラリーを巡って『あ、もうこれだ』っていうのは感覚で分かるんです」。多くの作品との出会いから、例外はあるものの「ぎゅっと密度のあるもの、凝縮された強さを感じる作品がどうやら好みのようだ」と気付いたのだそう。
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作品との出会いや日常のお手入れなど、アートとの付き合い方
ホコリや紫外線から守るために、気をつけていること
S様のアートとの付き合い方は、作品の選び方から日々のお手入れまで、とても自然で実践的。最初の作品との出会いは、街の小さなギャラリーから。最近はギャラリーのサイトで展示内容を確認し、「画像を見てピンときたら行く」というスタイル。作家に直接連絡して購入することもあれば、オークションで出会うこともあるそうです。
日常的な手入れは、作品を傷めないよう気をつけつつ、表面のほこりを羽根ばたきで優しく払います。また、紫外線や温度変化に弱い作品も多いため、環境には気を配っているのだそう。
「水彩など退色しやすい作品はなるべく窓から離して置くほか、UVカット効果のあるフレームに入れるなどの対策をしています。湿度の変化も良くないため、空調はほぼ常時運転ですね」
これからアートを購入してみたい人には、「『これを家に置きたい』と強く感じたなら、予算が許す限り買ってみてはどうですか」とアドバイス。まずはいろいろなギャラリーや展覧会を見て、自分が好きだと思えるものを知ることから始めてみては?とのことでした。
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動線も設備も一新。リノベーションで家時間をもっと心地よく
「カフェに行く」から「家でお茶をする」へ
アートの魅力が際立つS様邸ですが、リノベーションによって暮らしやすさも大きく向上しています。特に実感しているのが、夫人からの大きな希望でもあった家事動線の改善です。
以前は水まわりが独立しており、洗濯物を干すときには洗面室からいったん廊下に出て、キッチンを回り込んでバルコニーに出る必要がありました。そこで、キッチン背面から洗面室へと通り抜けられる回遊動線をつくり、現在は洗濯機からすぐに勝手口へ。水まわりをつないだことで双方向に風が通るようになり、気になっていた湿気も解消しました。
寝室の収納は廊下側にも入り口をあけて、ウォークスルーに。以前は押入れの奥にモノをしまい込むと取り出すのが大変でしたが、どちらからも使えるようにしたことで、デッドスペースがほとんどなくなりました。
そして、リノベーションで大きく変わったのが、家で過ごす時間そのもの。「家が居心地よくて、以前は気晴らしにカフェにお茶をしに行っていたのが、今では自宅でお茶をするように。リビングの中心に敷いたラグに仰向けになり、作品を眺めるのが日課です」
アート作品を眺める喜びと、日々の暮らしやすさが自然に共存するS様邸。好きなものを大切にしながら、ご夫婦それぞれが心地よく過ごせる住まいへと生まれ変わりました。
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<掲載作品の作家名>
※あいうえお順、アルファベット順
有原友一・井上実・井本真紀・内海聖史(uchiumi satoshi)・蝸牛あや・久野彩子・黒坂祐・小林紗織・小林達也・清水佳奈・清水ちえ・杉浦大和・関根直子・園英俊・髙木俊宏・高島進・ただあやの・舘寿弥・田中玲子・辻可愛・戸塚伸也・友枝憲太郎・鳴海暢平・西村祐美・野澤義宣・東山詩織・平野充・福田笑子・藤村亮太・古谷利裕・文谷有佳里・前田信明・松浦寿夫・松村宏・宮脇周作・村橋貴博・柳田有希子・矢野静明・Artwork © Nobuaki Maeda・ qp・Rafael Rodríguez・Yoco Nagamiya・Yu Yokoyama




















