【リノベ会社のマネージャー監修】マンションのリノベーション期間はどれくらい?工期が決まる要因は?
リノベーションを進めるうえで、費用と同じくらい気になるのが「工事期間=工期」のこと。お仕事の赴任や子どもの入学など、新生活に合わせたいタイミングがあるなら、リノベーションの打合せから逆算して進めなければいけません。マンションの間取り変更をともなうフルリノベーションの場合、工事期間としてどれくらい予定しておけばいいのでしょうか? プロに聞いてきました。

マネージャー 楢崎
二級建築士、インテリアコーディネーター
舞台照明の仕事に10年以上携わったのち、リノベーション業界へ転身して20年。
スタイル工房には入社して12年が経ち、現在はマネージャー兼プレイヤーとして8年ほど、現場に関わりつつ、採用や教育、社内業務の管理など、幅広い業務を担っている。
趣味はキャンプ。保護猫との暮らしに癒される毎日。
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目次
- マンションのフルリノベーションの場合、期間は3~4カ月が目安
- リノベーションの期間が前後する要因① マンションの規約
- リノベーションの期間が前後する要因② マンションのつくり
- リノベーションの期間が前後する要因③ リノベーションの内容
- まとめ|早さよりも、引き渡し後も快適に暮らせる工事を重視
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マンションのフルリノベーションの場合、期間は3~4カ月が目安
マンションは、戸建てよりも工事に制限や調整事項が多め
「マンションの間取り変更をともなうフルリノベーションでは、工事期間の目安は3〜4カ月程度とお伝えしています」と楢崎マネージャー。
「思ったより長いね、というお客様もたまにいらっしゃいますが、スタイル工房では、現場が混乱しないように職人のスケジュールを組んでいます。短期間で一気に仕上げるような方法ではなく、専門の職人が丁寧に作業することで、仕上がりの美しさと品質を確保しているのです」(楢崎マネージャー、以下同)。
また、例えば築年数の古いマンションでは、解体後に図面と異なる構造が見つかったり、想定以上に劣化しているケースがあり、追加工事が必要になることも少なくないのだそう。
「さらに、上下左右に住戸のあるマンションでは、近隣への配慮が欠かせません。工事時間の制限や搬出入ルートの確保など、戸建てよりも調整事項が多くなります。こうした背景から、スタイル工房では『引き渡し後に快適に暮らせること』を最優先に工期の設定を行っています」

具体的に、マンションのどのような要素が工期に影響するのかを、もう少し詳しく見てみましょう。
リノベーションの期間が前後する要因① マンションの規約
工事可能な時間帯や、エレベーターの使用制限があることも
マンションのリノベーションで工期に大きく影響を与える要因のひとつに、管理規約があります。
「工事可能な曜日・時間帯が細かく定められていることが多く、特にタワーマンションでは、搬出入用エレベーターの使用時間が限定されているケースも。例えば『平日の10〜16時のみ』『土曜は音の出ない作業のみ可』などの制限があると、実際に作業できる時間が短くなり、工期が延びる要因になります」
また、管理組合や近隣住戸への事前説明が必要な場合もあり、着工前の準備期間が長くなることも。工事同意書の提出が求められるマンションでは、工程表の提出が必要ですが、プランが固まる前に工程表を求められることもあり、余裕をもったスケジュール調整が欠かせません。
「最近は、在宅ワークの方も多くなり『午前中はNG』『受験シーズンは避けてほしい』など、近隣にお住まいの方の生活リズムに合わせた配慮が求められる場面も増えています。こうした調整を丁寧に行うことが、工事中のトラブルを防ぎ、お客様が引っ越した後も気持ちよく暮らせる環境につながります」
管理規約の確認から近隣対応までをしっかり行い、無理のない工程を組む。それらが安心して工事を進められる体制と、お客様のスムーズな新生活につながる、ということなのです。

リノベーションの期間が前後する要因② マンションのつくり
「マンションでは、専有部分のトラブルも共有部分との調整が必要に」
物理的な要素としては、マンションの構造や築年数があります。築40年を超えるマンションでは、解体して初めて分かる劣化や図面との相違が発生しやすく、追加工事や補修が必要になるケースが。特に配管まわりは築年数によって状態が大きく異なり、交換範囲が広がると工事期間も長くなります。
「特にマンションは共用部との関係が密接で、雨漏りなど共用部の不具合が見つかった場合は、管理組合に補修を依頼しなければなりません。その対応待ちで工事が止まることもあります。もちろんこれはレアケースですが、可能性として考慮しておく必要があります。
さらに、マンションは搬出入経路が限られているため、資材の運搬に時間がかかることも。エレベーターの使用制限や、長い搬入ルートが必要な場合は、作業効率が下がり、結果として工期が延びることにつながります」
騒音や振動が周囲に伝わりやすい構造の場合は、作業時間を細かく調整しながら進める必要があるマンションリノベーション。スタイル工房では、こうしたマンション特有の事情を踏まえ、現地調査の段階からリスクを見越した工程づくりを行っています。
リノベーションの期間が前後する要因③ リノベーションの内容
「どうしても使いたいタイルが2カ月待ち、というケースも」
最後に、お客様が実現したいリノベーションの内容によっても、工期は大きく変わります。
「造作家具やオーダーキッチンなど、職人の手作業が多い工事は時間がかかる傾向があります。既製品を組み合わせる場合は比較的スムーズですが、造作が多いと家具職人や大工、設備職人や電気工事士など複数の職人の工程調整が必要になるためです。
また、建材や設備の納期も重要なポイント。例えば、手描きのタイルをブラジルからの船便で取り寄せるのに2カ月半かかるため、納期に合わせて工程を組み直したこともあります。一般に輸入タイルや特注の洗面台などは納期が長く、在庫切れや輸送遅延が発生すると、工期に影響します」
プラン一つひとつがオーダーメイドであるリノベーション。お客様の要望をカタチにするために、スタイル工房では、現地調査の段階でできる限りの確認を行い、見切り発注によるトラブルを避けるよう努めています。丁寧な仕上がりを重視するからこそ、余裕をもったスケジュールが必要なのです。

まとめ|早さよりも、引き渡し後も快適に暮らせる工事を重視
マンションリノベーションの工期には、工事そのものだけでなく、管理規約や近隣対応、建材の納期など、多くの要素が影響することが分かりました。「スタイル工房では、こうした複雑な条件をふまえて『引き渡し後に安心して快適に暮らせること』を最優先に、無理のない工程づくりを行っています」と楢崎マネージャー。
「短期間で仕上げることは可能かもしれませんが、その分だけ仕上がりの精度や現場の安全性、近隣への配慮が犠牲になる可能性があります。専門の職人が丁寧に作業し、社内検査・施主検査・是正期間をしっかり確保することで、長く愛着を持って暮らせる住まいが完成する、と私たちは考えています」
工期が延びる可能性がある場合は、その理由を丁寧に説明し、お客様と共有しながら進めるのもスタイル工房の特徴。「早さ」よりも「仕上がりの質」と「安心して暮らせること」を大切にしているのです。








