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【プランナー監修】”新耐震基準“でも耐震リフォームは必要⁉物件購入と住み替え時のポイント

2025年12月16日(火)

中古物件を購入したり、実家をリフォームして住む場合など、戸建てでは特に「耐震性」は見逃せない重要ポイント。実は、1981年以降築のいわゆる“新耐震基準”の建物でも、築年数や構造によっては補強が必要なケースがあります。今回は、耐震リフォームの注意点と、実際の事例で施したポイントをプランナーに聞いてきました。

 

チーフプランナー 渡辺
二級建築士、スタイル工房チーフプランナー

マンション、ツーバイや築古の戸建てなど、難易度の高いリフォームにも数多く携わる。
お客様やメンバーと共に心地の良い暮らしを導き出す。

同じ新耐震基準でも、2000年が耐震性の大きな境目に

「耐震基準は1995年の阪神・淡路大震災を受けて、2000年6月1日に建築基準法が改正されました。この震災で木造家屋に多くの被害があったことから、主に木造戸建ての耐震性を向上させる必要があるとされたんです」と渡辺プランナー。

「たとえば新耐震基準の建物でも、築25年以上(2000年以前)の建物では内装のリフォーム工事だけでは不安な場合があります。そのため、中古物件購入を検討する場合は、まず築年が2000年より前か後かを確認しましょう。正確には、2000年6月1日以降に建築確認申請をした建物は、最新の耐震基準で建てられていることになります。

 

 

住まいの耐震性、築年数以外に見るべきポイントは?

中古戸建て物件を探しているときに、耐震性において築年数以外に見るべきポイントはあるのでしょうか?

「まず、図面が残っていて、図面に耐力壁の表示がある家は耐震や改修工事の計画が立てやすいですね。つまり、どれくらいの工事費用がかかるのか、リフォームでできること・できないことの見通しがつきやすいといえます。また確認検査済証や住宅性能評価書などがある建物はより安心できますので、そのような建物もオススメです。

家の形としては、やはり凸凹があるよりは四角い建物の方が耐力壁のバランスがとりやすく、地震にも強い傾向にありますね。ハウスメーカーが建てた家も比較的、耐震性が高いケースが多いです。もちろん工務店で建てられた家もしっかりと建てられているものもたくさんあります」

最近は、中古物件を購入する際にホームインスペクションを行う方も増えているのだそう。ホームインスペクションとは、第三者機関による有料の住宅診断で、建物の現時点での劣化状況や補修が必要な個所を調査するものです。

「インスペクションを行うのは、銀行のローン審査を申し込むあたりのタイミングという方が多いですね。リフォーム工事の必要性や将来、売却をするときの資産価値をはかる面もありますが、もしインスペクションで瑕疵が見つかれば売主さんに価格の交渉ができるかもしれません。また外壁などのクラックの有無などで耐震性能の目安にもなります」

 

 

大きな間取り変更も可能?そのためには具体的にどんな工事をする?

「まず、そのおうちが築古の場合は性能アップにどのくらい費用がかかりそうかなどを調べる必要があります。そこに費用がかかりすぎると、希望のリノベーションができません。2000年以降築の建物の場合は性能がある程度確保されていると考えられますのでインテリアに費用がまわせます。どちらにしても間取り変更を伴いかつ1500万円を超えるようなリフォームの場合はぜひ耐震診断をおすすめします。

耐震補強工事は具体的には、壁を解体して必要な場所に筋交いや補強金物を取り付けます。その上で耐力のある面材を取り付けます。建物の構造によっては間取りを変えるのが難しい場合もありますが、構造の組み方を見直し補強する事で間取りの変更も可能になります。ここはご相談ください」

耐震補強工事は、壁の解体をともなうため、間取り変更のリノベーションと同時に行うのが費用面・工期面でも合理的だといえます。さらに、構造変更を伴う工事を請け負える会社とそうでない会社がありますので、戸建ては特に、リフォーム会社選びが重要になりそうです。

「間取りに関していえば、ご希望も多い2階リビングなどは比較的耐震性が確保しやすいといえます。下の階に個室などで壁量が多くとれるため耐力壁が確保しやすくなります。逆に、1階に大きなリビングを作る場合は、大空間を支えるための柱やバランスの良い耐力壁の配置が重要になってきます。既存の壁にも筋交いを入れたり、補強が必要になる場合もあります。」

それではここからは、実際に耐震工事を施した戸建ての事例を見てみましょう。

 

 

耐震リフォーム事例①|築61年の家を減築して強く

【築61年|リノベーション面積 約73㎡】

20年前にリノベーション済中古物件として購入した住まい。
築60年の築古ですが地盤が良いこともあって東日本大震災を耐え抜いたものの、この先も安心して暮らすために工事することに。

 

間取りは1階の和室をLDKに取り込んで大空間に。
グリーンの壁の部分には出窓と収納がありましたが減築し、壁を抜いた分は柱を入れて補強しています。

 

間取り図で見るとこんな感じで、1階のLDKと階段部分に柱があるのが分かりますね。

 

玄関も壁を抜いて柱を残しましたが圧迫感が出ないよう、スケルトン階段にして風と光が通るように配慮。
これまで閉じられていた階段下スペースも、自転車の収納場所として活用できるようになりました。

詳細はこちら▶ https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_y83.html

 

 

耐震リフォーム事例②|建売中古を購入後、耐震補強

【築26年|リノベーション面積 約88㎡】

実家の隣に建売中古戸建てを購入し、10年間住んでいたご家族。
築26年となり老朽化が気になってきたため、リノベーションと同時に耐震補強を実施しました。
LDKは1階から2階に移動し、ロフトにつながるオープン階段も設置。

 

2階は2室をつなげて壁を抜いたため、キッチンカウンター横に柱を残しています。

 

既存のロフトは減築してリビング上部に吹抜けをつくり、開放的な空間を実現。
新築にも劣らない居心地のよさと性能を備えた住まいに生まれ変わりました。

詳細はこちら▶ https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_h65.html

 

 

耐震リフォーム事例③|実家の重心のバランスを改善

【築30年|実家リノベーション|偏心率改善+耐震補強】

最後はご実家を引き継がれたおうちです。
もともと2階LDKでしたが、独立型だったキッチンを対面式にしてリビングに隣接する和室を取り込みました。

 

経年変化で味わいが増した無垢フローリングや梁は既存を利用。
吹抜けも元からあったもので、大空間となったLDKをより開放的に演出してくれます。

 

建物は偏心率を改善し、耐震評点を0.48から1.1までアップしています。

詳細はこちら▶https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_w22.html

 

*2025年4月から法規が変わり内容によっては確認申請が必要になっています。

 

 

まとめ|住み方と将来設計で変わる耐震リフォーム

「耐震リフォームは、建物の築年数や構造だけでなく、『これからどれくらい住むのか』『将来、売却する可能性はあるか』など、ライフプランによって必要な工事内容が変わります」と渡辺プランナー。
2000年以前の新耐震基準の家でも、耐震リフォームに補助金制度が使える場合もあります。インスペクションの活用も含め、まずは専門家に相談してみましょう。

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