【プランナー監修】リフォームでコンセントを増やしたい!位置や数の決め方は?
毎日の暮らしの中でたまに感じる「ここにコンセントがあったらいいのにな」「このコンセントいつも足りないんだよね」という不便。リフォームでぜひ解決したい!ということで、コンセントの位置や数を決めるときの考え方やポイントを、リフォームのプロに聞いてみました。
チーフプランナー 黒沢
二級建築士、インテリアコーディネーター
時間の経過と共に変わっていく暮らしの変化も想定したプランと、建物のポテンシャルを生かした美しいラインのおさまりに定評がある。
――――――――――――――――
目次
- リフォームでは、いつコンセントの数を決める?
- リフォームでつけるコンセントは多い方がいい?
- リフォームで見落としがちなコンセントの注意点
- 最近のリフォームで要望の多いコンセントの位置
- リフォームのコンセント、こんなコトもできます!
- ライトレールから電源をとることも可能
- まとめ
――――――――――――――――
リフォームでは、いつコンセントの数を決める?
工事請負契約後は追加できないから、しっかり考えて
リフォームやリノベーションでは、何度か打合せを重ねておうちの仕様を決めていきます。そこで気になるのが、コンセントの数や位置を決めるタイミング。変更や追加などはいつまで可能なのでしょうか?
「間取りやプランが決まった後、照明やコンセントの位置などを決める打合せがあります。最初にこちらから提案と詳細の打合せをさせていただいて『さらに必要な場所がないかご検討ください』と宿題としてお持ち帰りいただだき、実際にお家での暮らしをイメージしながら、じっくり検討する時間も設けています。
最終の工事請負契約を結んでからは、基本的にコンセントの追加はできません。後悔のないようにしっかり考えて決めましょう、とお伝えしています」(黒沢プランナー 以下同)。
宿題として持ち帰る場合は、次の打合せまでだいたい2週間ほど考える時間があるそう。コンセントは、できる限り普段の暮らしを具体的にイメージして、設置場所を決めるようにしましょう。
リフォームでつけるコンセントは多い方がいい?
増やす分だけ費用がアップ。電源タップも活用しよう
もし、コンセントを付けるか付けないかで迷ったときは「付ける」という選択をした方が良いのでしょうか?後で後悔しないよう、コンセントはやっぱり多めに設けた方が良いですよね?
「それが、多ければ多いほどいいというものでもないんです。たくさん付ければその分だけ、リフォーム費用も高くなってしまいます。
パソコンまわりは機器が多いため電源がたくさん必要かな?と思われがちですが、デスクの上で操作できる電源タップを使った方が便利です。
また、少し前までは掃除機用にリビングの低めの位置や廊下にコンセントを設けることが多かったのですが、お掃除ロボットやコードレス掃除機が主流の今は、使わないというご家庭も増えました」
具体的に使い方がイメージできないコンセントは、費用をかけて設置してもムダになってしまいます。使っていないコンセントにはホコリもたまりやすいので、必要な分だけ設けるようにしたいものです。
リフォームで見落としがちなコンセントの注意点
打合せ時期と真逆の季節のことを忘れがち。季節家電に注意!
「リフォームの打合せが真冬だと、夏だけ使う家電のことをイメージしづらいため、注意しましょう」と黒沢プランナー。真冬に打合せを行い、いざリフォームが完成して夏になったら『ここで扇風機を使いたかったのにコンセントがない!』のようなことになるかもしれません。
逆に夏の打合せでは、冬に使うヒーターやクリスマスツリーのためのコンセント設置を忘れがち。コンセントの位置を決めるときは、使う時期が限られた季節家電も含めて考えるようにしましょう。
「ほかに忘れがちなものとしては、空気清浄機や家事室のアイロン用電源、ランドリールームのサーキュレーター用の電源などがあり、こちらからなるべくご提案するようにしています。
打ち合わせでは、ドライヤー用の電源を設けるときに、右手と左手、主にどちらの手でドライヤーを持つことが多いかなども聞いています。ドライヤーのたびにコードがシンクに落ちるたりすると、小さなストレスになるので」
できる限り室内にコードが伸びないよう、過不足なくコンセントを設けるには細かいヒアリングが必要。美容家電などはUSBになっているものも多いため、洗面室にUSB電源を設けるケースも増えているそうです。
最近のリフォームで要望の多いコンセントの位置
それではここからは、実際の事例からリクエストの増えているコンセントを見てみましょう。
リビングや収納内部|ロボット掃除機の基地に
リフォームを機に購入する人も多いロボット掃除機。
収納内部や廊下に置くこともありますが、お掃除の頻度の高いリビングの一角に設けるのが主流です。
こちらのおうちはゴミステーションが隠れるように、基地に扉を設けました。
この写真の事例詳細はこちら:No.756 moderno
寝室|寝ている間のスマホ充電はもはや必須
ベッドの高さに合わせて、横になったままでも届く場所にコンセントをつくると便利です。
ダブルベッドは両サイドにつくるのがオススメ。
写真のように、コンセントとともにカウンターも設ければ、お休み中にスマホがベッドから落ちることもありません。
この写真の事例詳細はこちら:No.818 味わい深く 上品に
玄関|電動自転車の充電やDIYに便利
子育て世帯に利用率の高い電気自転車ですが、充電器は重たく、砂ぼこりなどで汚れていることも多いもの。
玄関でそのまま充電できれば、家の中に持ち込まずにすみますね。
他にも靴乾燥機やDIYの工具用に、玄関にコンセントがあるとなにかと重宝します。
この写真の事例詳細はこちら:No.624 ツナガル形 ツナガル想い
リフォームのコンセント、こんなコトもできます!
最後に、コンセントを設けるときのちょっとしたアイデアをまとめました。
キッチンや洗面などは目立たないデザインのものを
コンセントは白だけでなく、グレーや黒を選ぶこともできます。
こちらはタイルに合わせてグレーの横長タイプを採用した例。
目立たず、キッチンのデザインに調和しています。
この写真の事例詳細はこちら:No.873 穏やかな時間が流れる 大人ナチュラル
上向きのコンセントには、ホコリよけカバーがオススメ
造作カウンターの両サイドにコンセントを設けた例です。
家電の充電はもちろん、ホットプレートなどを使う時にも便利ですね。
カウンター上のコンセントは、スライド式のカバー付き。
使わない時はカバーで隠せば、ホコリが入らず見た目もスッキリしますね。
この写真の事例詳細はこちら:事例No.677シンプルな暮らし こだわりの生活
ライトレールから電源をとることも可能
テレビは置かずにプロジェクターのみ、というおうちも増えてきました。
天井にプロジェクターを設置するとき、照明用のライトレールをコンセントとして使うこともできます。
もし設置場所や使用機種が決まっている場合はお知らせください。
この写真の事例詳細はこちら:事例No.880光で彩る2階リビング
まとめ
家全体で使える電力は決まっており、それぞれのコンセントを同時に使い過ぎればブレーカーが落ちてしまいます。特にキッチンは家電が集中するため、あらかじめ使う家電の種類やアンペア数を把握しておくようにしましょう。
もしコンセントを設けるかどうかで迷ったら、お気軽にご相談ください。これまでの事例とヒアリングをもとにアドバイスさせていただきます。