【プランナー監修】北欧テイストのリノベーション。オーダーのコツやトレンドは?
自然素材の温もりや柔らかな色づかいで、住まいに心地よさをもたらしてくれる北欧テイストのリノベーション。しかし“北欧”と一言でいってもイメージは人それぞれ。理想の雰囲気を形にするには、打合せでの伝え方や素材選びが重要になります。この記事では、プランナーの視点から北欧リノベのポイントと実例をわかりやすく紹介します。

チーフプランナー 於保
一級建築士
マンション・戸建て共に数多くのリノベーションに携わってきた。機能美、住まう人の日々の暮らしやすさ、そして将来も踏まえた心地よさを追求。
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目次
- リノベーションで北欧風にしたい!打合せでは何を伝えればいいの?
- 北欧デザイン、最近のトレンドは和と融合した「ジャパンディ」
- リノベーション事例①|素材感が伝わるグレートーンの北欧モダン
- リノベーション事例②|木の造作家具+ミナペルホネンのタイルで演出
- リノベーション事例③|北欧住宅を中古購入し、木枠の窓を生かして
- まとめ|自分たちらしい「北欧スタイル」を見つけて
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リノベーションで北欧風にしたい!打合せでは何を伝えればいいの?
「スタイル工房は自然素材を使ったリノベーション事例が豊富にあるため、多くのお客様がリクエストされるのが『木を使った北欧テイストの家』です。しかし北欧といっても幅広いので、お客様の“北欧のイメージ”を必ずお聞きするようにしています」(於保プランナー、以下同)。
例えば、好きな家具や照明、色や、既に持っている家具で活かしたいものや購入予定のもの、SNSや雑誌で見つけた理想の雰囲気など、伝え方は何でもOK。あるお客様は「Yチェア※が欲しい」と打合せで話したことから、Yチェア入りのプラン図を提案。リノベーションでは、他のアイテムも同じ世界観で決めていきました。
「逆に、細かいお話をお聞きするうちに、同じ『木を使ったシンプルなデザイン』でも、北欧というよりフレンチシックのインテリアがお好みだと気付いた例もあります。
また、北欧では天井照明よりもフロアランプを使ったり、ペンダントライトを低く吊るす文化がありますが、日本の暮らしにそのまま取り入れるのは難しい場合も。そこで、雰囲気をつくる照明と、明るさを確保する照明を使い分ける照明計画を提案し、暮らしに合った北欧らしさをカタチにしていきます」
※Yチェア(CH24)・・・デンマークのカール・ハンセン&サン社製の木製椅子の名作。北欧デザインの代表として世界中で愛用されています。
北欧デザイン、最近のトレンドは和と融合した「ジャパンディ」
近年人気が高まっているのが、北欧と日本の美意識を融合した「ジャパンディ(Japandi)」というスタイル。「Japanese(日本の)」と「Scandinavian(北欧の)」を組み合わせた造語で、リノベーションのリクエストでもこの言葉が出てくることが増えたそうです。
「北欧と日本、どちらも自然素材や落ち着いた色調を大切にした家づくりで、もともと相性が良いといえます。少し前までは、白やアイボリーを基調にマリメッコのテキスタイルのような鮮やかな差し色を入れるのが北欧スタイルの主流でしたが、今は白はあまり使わなくなりましたね。
増えてきたのがグレージュやグレーといったくすみカラー。広い範囲に使うとホワイトにも見えますが、まぶしさを感じさせない落ち着いた空間になります。シンプルで機能的な北欧インテリアに、柔らかな曲線や和紙などのアイテムを取り入れ、余白を残して配置するのが特徴です」
北欧で居心地のよさを表す「ヒュッゲ(Hygge)」に日本の侘び寂びの精神をプラスしたスタイル、と説明されることも。海外の方が抱く日本のイメージなので、和室や畳というよりは、ほんの少し和を感じさせる小物や家具をプラスした北欧モダン、と考えれば取り入れやすいかもしれません。
リノベーション事例①|素材感が伝わるグレートーンの北欧モダン
【マンション|築20年|リノベーション面積 約75㎡】
ここからは実際に北欧インテリアでリノベーションした例を見てみましょう。

「自然素材を取り入れた北欧スタイル」という希望に応えてお住まいのマンションをフルリノベーションした例。
使われていなかったリビング隣りの和室を取り込み、広々としたLDKに。
キッチンカウンターにはブルーグレーのタイルを採用。
マットタイプと光沢タイプのタイルを組み合わせて貼り、さりげないニュアンスを演出しました

無垢オークのフローリングや左官塗りした珪藻土の壁、オイル塗装の建具など、自然素材のぬくもりもプラス。
色味を抑えても、上質な素材感や居心地のよさが伝わる空間です。

窓際は床にハニカムタイルを貼ってインナーテラスに。
部屋干し用のハンガーバーと天井までのガラス建具は、黒いフレームを選んで空間を引き締めました。
事例No.728【Hygge 〜やわらかな光と自然素材に包まれて〜】
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_k102.html
リノベーション事例②|木の造作家具+ミナペルホネンのタイルで演出
【マンション|築20年|リノベーション面積 約70㎡】
続いては、お子さまの小学校入学を機に、中古マンションを購入してリノベーションした例。

LDKは、壁に囲まれていたキッチンの向きを変えて、オープンなアイランドに変更。
カウンターをダイニングテーブルと一体化させ、インテリアの一部のように収まりよく造作しました。

水廻り以外の床はすべてナラ無垢フローリングを上貼りし、手持ちの木製家具と馴染ませています。

洗面には ミナ ペルホネン「tambourine」のタイルを採用。
シンプルなグレイッシュトーンをベースに、北欧柄のファブリックやタイルを上手に取り入れています。
事例No.691【仲良し家族の“HYGGE”な時間】
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_t84.html
リノベーション事例③|北欧住宅を中古購入し、木枠の窓を生かして
【戸建て|築26年|リノベーション面積 約85㎡】
最後は、北欧住宅を手掛けるメーカーの中古物件を購入し、既存の魅力を生かしながらリノベーションした事例。

印象的なのが、木枠の大きな窓を主役にしたプランニングです。
LDKは2階へ移動し、木枠窓からの光を生かすため、壁付けキッチンを採用しました。

リビング側も既存の木製窓を主役に、木の素材感を散りばめた空間に。

階段室には木格子とガラスのパーテーションを造作し、開放感を損なわずに暮らしやすく。
北欧住宅ならではの良さはそのままに、暮らしやすさをアップデートしました。
事例No.930【既存の魅力+α】より
https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_h63.html
まとめ|自分たちらしい「北欧スタイル」を見つけて
「北欧といっても千差万別。北欧のプロダクトだけにこだわらず、色々なものをミックスして自分らしい『北欧スタイル』を見つけてください。プロとして、まとまりと暮らしやすさを両立するアイデアをプラスさせていただきます!」と於保プランナー。
最後の例も、北欧住宅をベースに、ウィリアム・モリス(イギリス)のクロスやコーラー社(アメリカ)のペデスタル洗面台を採用。それぞれのアイテムが引き立ちつつも、住まい全体として美しく調和しています。好きなものが調和して居心地のよさにつながる、そんな懐の広さも、北欧スタイルの魅力かもしれませんね。









