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【プランナー監修】開放感たっぷり!掃き出し窓リノベーションのポイント

2025年12月23日(火)

床から天井付近までの高さがあり、住まいに開放感と光をもたらす「掃き出し窓」。出入りしやすい大きな窓は、庭やバルコニーにも自然につながる一方で、断熱性や防犯性など注意すべき点も。今回は「掃き出し窓をつくりたい」と考えている方のために、メリット・デメリット、リノベーションの注意点などを2人のプランナーに聞いてみました。実際に、掃き出し窓をつくったリノベーション事例も見てみましょう。

チーフプランナー 渡辺
二級建築士、スタイル工房チーフプランナー

 

チーフプランナー 阿部
二級建築士、インテリアプランナー、二級建築施工管理技士
マンション、ツーバイや築古の戸建てなど、難易度の高いリフォームにも数多く携わる。お客様やメンバーと共に心地の良い暮らしを導き出す。 お客様の希望の暮らしを丁寧に確認しながら、長年の経験、知識を生かして一歩先の提案を提供。暮らしの変化に伴って再度リノベーションするお客様住み替えのお客様からのリピート依頼も多数。

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目次

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掃き出し窓とは?開放感と出入りのしやすさがメリット

まずは掃き出し窓の概要について、阿部プランナーにお聞きしました。

「掃き出し窓は、床から天井付近までの高さを持ち、人が出入りできるサイズの大きな窓を指します。ホウキを使ってゴミを外に掃き出していた時代の名残で、この名前で呼ばれています。庭やバルコニーとのつながりを生み、縁側を備えた日本の昔ながらの住宅文化に深く根付いています」(阿部プランナー)。

掃き出し窓の最大のメリットは、なんといっても開放感。床のすぐ上から視線が通り、外の景色を楽しめることです。また、庭やバルコニーにつながり、スムーズに出入りができること、視線がさえぎられないため、部屋を広く見せてくれる効果があることが挙げられます。

「もちろん大きな窓なので採光性・通風性ともに優れており、明るく風通しのよい部屋をつくることができます」(阿部プランナー)。

日本人にとってなじみ深い掃き出し窓。ホウキの代わりに掃除機が主流となった現代では、庭やテラスに面していることから「テラス窓」とも呼ばれています。

 

 

掃き出し窓のデメリットは?窓を小さくすることも可能?

「デメリットとしては、メリットの裏返しにはなるのですが、断熱性が低くなってしまうことが挙げられます。特に西側に大きな窓を設けると、夏は特に熱効率が悪化して、なかなかエアコンが効かない…といったケースも。

また、出入りしやすいということは、侵入経路にもなりやすいということ。防犯面でのリスクも腰高窓などに比べて上がってしまいます」(阿部プランナー)。

メリットもデメリットもある掃き出し窓ですが、工事で窓の大きさは変えられるのでしょうか?例えば腰高窓を拡げて掃き出し窓にしたり、掃き出し窓を一部閉じて腰高窓にしたりといった工事は可能なのでしょうか。

「まず、マンションでは窓のサイズを変えることは難しく、外壁やバルコニーは共用部分にあたるため大規模修繕時にサッシごと交換するケースがほとんど。たとえ戸建てでも、窓の大きさを変える場合は外壁工事も必要なため、大掛かりな工事になってしまいます。

そのため、『窓の大きさを変えたい』というご要望をいただいたときは、なぜそうしたいかをじっくりお聞きして、別の方法を提案することも。例えば、断熱性や防犯性を高めたい場合は、内窓やシャッターの追加などの方法があります」(阿部プランナー)。

内窓を設置する場合は、掃き出し窓は小型のクレセント錠ではなくレバー式の鍵がついている場合が多く、レバーの分のスペースを空ける必要があります。そのため、少し室内に出っ張ってしまうこともあるようです。「気になるようならサッシごと複層ガラスなど性能の良い窓に取り換えることもできます」とのことでした。

 

 

掃き出し⇔腰高窓。窓の大きさを変える工事の注意点

『窓の大きさを変える場合は外壁工事も必要』とのことでした。大がかりな工事とは実際にどのようなことをするのでしょうか?また、どんな点に注意しながら工事を進める必要があるのでしょうか。ここからは渡辺プランナーにお聞きします。

「窓を大きくする場合は、防水リスクの確認が必要です。さらに、2階以上ならテラスを新設するケースも多く、足場を組む工事となるため大規模になりがちです。そのため、費用と工期もプラスとなる場合が多いですね」(渡辺プランナー)。

実は、都心の住まいのリノベーションでは、窓の工事は掃き出し窓→腰高窓に小さくする、もしくはお風呂やトイレにあった窓はなくしてしまうことも多いのだそう。

「日本では昔から、外とのつながりを大切にする家づくりが主流でしたが、都心の住宅地では難しくなってきています。そのためヨーロッパ式に『室内を快適に設える』という考え方にシフトしていますね。特に若い方を中心に『窓は要らないのでなくしてください』というご要望が増えています」(渡辺プランナー)

掃き出し窓を含め大きい窓をつくることができる場所として挙げられるのが、眺望に恵まれていたり、お庭やテラスに面している方向。例えば次のような事例では、腰高窓を掃き出し窓に変えるリノベーションを行いました。

 

 

掃き出し窓をつくった事例① 眺望をめいっぱい生かして

【戸建て|築39年|リノベ面積 約127㎡】

都心のマンションから郊外の一戸建てを購入し、住み替えたお客様。
選んだのは見晴らしの良い崖地に建つ建物で、眺望を生かして窓を拡げました。

 

右側の窓はもともと腰高窓でしたが、掃き出し窓に変更。
これにより、二方向に広がるパノラマビューを実現しました。

 

窓の外にはウッドデッキもつくり、外の木立ちまでまっすぐ視線が通ります。
要所の窓は断熱サッシに入れ替えることで、四季を通じて快適に暮らせるよう配慮しました。

https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_m104.html

 

 

掃き出し窓をつくった事例② 大型犬との暮らしを楽しく

【戸建て|築28年|リノベ面積 約160㎡】

大型犬である愛犬のために、ウッドデッキを新設した例です。
腰高窓を掃き出し窓に変えて、LDから床がフラットに続くアウトドアリビングのような役割をもたせました。

 

中から見るとこのような感じで、塀を立ち上げることでプライバシーも確保しています。

 

さらに、バスルームにもバルコニーへ直接出られる掃き出し窓を設置。
耐震性も考慮しながら壁量を調整し、外と中がゆるやかにつながる開放的なお住まいが完成しました。

https://www.stylekoubou.com/sekou/works/sekou_s114.html

 

 

まとめ

掃き出し窓は、光や風を取り込み、庭やバルコニーとのつながりを生んでくれる貴重な存在。住まいに取り入れることで、明るく開放感のある空間をつくることができます。しかし一方で、断熱性や防犯性、工事の難易度・コストなどの課題もあります。
リノベーションでは「なぜ窓を変えたいのか」を整理し、二重サッシやシャッターなど代替案も含めて検討することが大切です。開放感と快適性を両立させるために、プロに相談しながら進めましょう。

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