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密着レポート BLOG

Vol.2 半世紀を生き抜いた骨太な構造が解体工事で明らかに

2017年07月25日(火)
築50年のおじい様の家をレトロな雰囲気を残しながら現代のライフスタイルに合わせ、安心して暮らしやすい住まいを目指したA様邸のリノベーション。基本的な予算やプランが決まり、その実現に向けて解体工事が始まりました。

◆ vol.1 築50年の味を残しつつ、子育てにやさしいこだわりの家を叶えたい はこちら


◆解体前に調査や診断、詳細設計を実施
 
解体の前に行うべきことが、綿密な構造の調査や耐震診断です。また、家の寸法をすべて実測して、正確なビフォー図面を描き起こすこと。A様邸でも、それらを元に詳細設計を行ない、実施設計図書をつくりあげました。

リフォーム・リノベーション密着レポート|A様邸 窓
描き起こしたビフォー図面(下3枚)とリノベーション図面(上)

 
幸いなことに、A様邸は耐震診断や床下調査などの結果はおおむね良好。ただ、増築を繰り返した形跡が何箇所かあり、構造をむき出しにしてみないとわからないこともありました。
リノベーション物件は、新築時の図面がなかったり、改築などの履歴が不明なことが多々あります。A様邸もそうでした。
ですから、現場で見て触れて測って、建物の声を聴くように接することから仕事を始めました。


◆みっちり10日間、汗と埃にまみれながら、慎重に解体を行いました
 
ところで、みなさんは家を取り壊している現場に出くわしたことがありますか。重機でガーッと壊したりするあれ。でも、リノベーションの解体は、そんなに単純ではありません。柱や梁、土台といった構造を傷つけずに、不要なものだけを慎重に取り除いていきます。
S様邸の場合も現場監督以下、大工、解体業者、電気工事業者などが力を合わせて仕事を進めました。1階の間取りを一新するため、余計な間仕切りや内装材などを取り外し、構造を丸裸に。柱は抜いていいもの悪いものを見極め、支えをしながら壁を外したり、電気コードや配管などを痛めないように配慮したり・・・ 汗と埃にまみれながら、作業には10日以上を費やしました。

リフォーム・リノベーション密着レポート|A様邸 解体確認の様子
大切な資産を再生するため、専門家たちがチームを組んで解体に臨みました。

そして、見えてきたのは半世紀を生き抜いてきた頑丈な躯体です。土台や柱、梁、根太などがしっかりと太く、コンディションも良好!特に梁は120㎜×300㎜と骨太。また、2階を増築した所には新しい梁で補強がしてあり、部分的に現在の耐震基準をクリアしている所も見受けられました。

リフォーム・リノベーション密着レポート|A様邸 構造 碍子リフォーム・リノベーション密着レポート|A様邸 碍子
骨太な構造や、ガイシ(↑赤丸)を使った昔ながらの電気配線が見えてきました。 右)碍子(ガイシ)


◆断熱材なし、シングルガラスサッシなど底冷え・隙間風の原因を確認
 
築30年を超える家の多くがそうですが、A様邸も断熱材がほとんど入っていませんでした。また、増築部分の床下に隙間があり、風はもちろん、小動物が侵入しそうな箇所も。また、一番断熱性能を左右する窓は昔ながらの木製窓とシングルガラスのアルミサッシ、隙間風や底冷えに悩まされていた原因はそこにありました。
リフォーム・リノベーション密着レポート|A様邸 解体後の様子


◆昭和レトロな造作玄関ドアや土壁、折り上げ天井などを残して

「これは絶対に残したい」とA様が要望されたのが、昭和レトロな玄関周りの風情です。玄関ドアは建具職人による手作りで、組み合わされるガラスも懐かしい雰囲気でした。玄関ホールの壁は土壁で、照明は昭和40年代当時のモダンなデザイン。ただ、さすがに時の流れには抗えず、どれも汚れや不具合が見受けられました。そこで、ご希望だった土間を大きくするとともに、玄関ドア、窓、靴箱などは、元々の趣を損なわないように磨き、繕い、塗装。お祖父様の仕事場の織り上げ天井も、補修して再利用、完成後はダイニングの天井になる予定です。

リフォーム・リノベーション密着レポート|A様邸 小舞
玄関と仕事場の間にある壁は、伝統的な技法を用いたもの。小舞(こまい)という竹を組んだ下地に土壁で仕上げてありました。

リフォーム・リノベーション密着レポート|A様邸 織り上げ天井
残すべきものの一つ、織り上げ天井。



◆大型トラック1台分のモノを処分、思わぬコストが必要に

ちょっと話が戻ってしまいますが、解体の前に家財の整理と処分を行いました。やはり50年の間に蓄積された物は相当あり、整理しないと解体工事にとりかかれなかったのです。なんと不要だった物は大型トラック1台分にも。
今回のようにご実家やご親族のお住まいを継いでリノベーションをする場合、不用品処分のために予想以上のコストがかかってしまう場合があります。

他にも、築古物件をリノベーションしようと考える方は、設計図書や増築・改修の記録が残っているとプランニングがスムーズに進むので確認しておくことをお勧めします。


さて、次回は安心・快適を叶える性能アップのお話しです。断熱・耐震工事の模様をお伝えします。お楽しみに。
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